キャバ孃時代
キャバ孃時代は、それなりに稼いだし周りに人もいた。栄光と言えた。
若ささえあれば、プロがあとは何とかしてくれる。もう少し痩せていたし。
今の私はそれのただの出涸らしだ。
写真をみるのが辛い。
部長が結婚に踏み切って下さらないのは多分、メリットがないから。彼は彼女ならいざしらず、結婚相手には女としての魅力は臨まない。
結婚相手に選ぶのは仕事における効率性。
夫婦ででなければならないイベントはある。
その時に彼と並ぶに私は相応しくない。
冷たい眼光や恐ろしく整った顔立ち、ゾクっとする色気が好きだった。
まるで美術品。
警察を30秒で追い返す、貫禄と雰囲気。
仕事中の彼は好きだ。
そんな彼と私では従者としても不適格。
ババアはババアらしく、みすぼらしいぐらいが丁度いい、わきまえろ。
と、言われるが彼は若い子と結婚したいのだろう。
正直、彼のプライベートには興味を持てない。
彼も私のプライベートには口出ししない。
仕事がお互い一番大事だ。
そんな関係だから、仕事以外では繋がらない。
名古屋の事務所が解体になれば、彼と結婚する理由はないかも知れない。
けれど、あの顔を眺められないのは寂しい。
かといって私が出来る事はまじめに仕事するだけ。