会人
私には、ゴロゴロしている時間を割いてでも会いたいと思う人がいない。
よって、対等な関係にある友人や、家族、恋人とは長くは続かない。もしくは、薄く長く続く。
では、不満か?といえばそうではない。
不満ならば、とっくの昔に何か動いているだろう。案ずるよりは~は自明の論理だ。
ただ、少し不思議だ。
凶悪な性格でもない、自堕落な部分はあるとはいえ、他者と比べ著しく怠惰というつもりはない。他者の全てを知っている訳ではないので、この考え方が危険だという事を差し引いたとしても。仕事もしている。
会わなければならない人間はいても、会いたい人間はいない。
他人は自分の鏡であり、逆も然り。
他人も私と会いたくないだろう。
そんなオーラが、私の中に流れてきているから前述の様に思うのかも知れない。
イヤ、私が流すから、他人が思うのか?
この辺りは、ニワトリが先か卵が先かであろう。
親ですら、1年近く連絡がなくても、平然としているのだ。他人ならもっとそうだ。
『そんな事ない』
他人に言った所で、優しい人なら、そう言いそうだが、また、気を使わせたなと、罪悪感が募る。
接客業のくせに??
店に来ているのは、私に会いに来ているのではない。はっきりそう言われた経験すら、ある。
店に来ているのだ。また、私ではなく、バーテンダーである、私だ。これは大分違う。
例えば、私の評価として、『便利だが、便利なだけ』としばしば挙げられる。
要するに、仕事をする私は必要だが、会いたい人間ではないのだ。そう思って貰えるのは、楽な事でもある。
同情されそうな内容かも知れないが、とりあえず、食えるし、余分な事は求められていない。
私の夢は『ゴロゴロ』だが、ゴロゴロするのは勿論大好きだが、ゴロゴロする事以外、やる事もない。
そんな理由でも、まぁ、いいじゃないか。
今日も枕が恋しい。