牢獄

働くとは、時間と環境の牢獄である。

ひとりで黙々と作業をするのも、接客するのも、私にとってはあまり変わらない。

身支度をしなければならない分、接客の方が辛いか。

身支度も労働のうち。つまり、それだけ早く牢獄に入るのだ。身支度をする時間から、牢獄は始まっている。

 

金のない不安から、自ら、牢獄に入る日数を早めた。バカだなと思う。

 

金さえあれば、牢獄に入らずにすむのに。

店を潰してしまえるのに。

キャバクラの仕事もライティングもやめたい。

まだ、こちらは、ほとんどひとりでこなす時間が多い分楽だ。しかも、風呂に入る必要すらないし、打ち合わせさえなければ、着替えもしない、髪もとかずにすむ。起きたらそのまま仕事とは、効率がいい。一分一秒でも、牢獄にいる時間は短い方がいい。

 

これから、暫く土曜日は店を休もう。

キャバクラの仕事と両立が出来ない。

店が邪魔に思えてくる。

店に出る時間を減らしたい。従業員に任せて、店には来ない。それが一番の策だ。

 

働くのが嫌だ。でも、割りきらないと、生活できない。死んだら働かなくてもいいのに、そんな度胸もない。まぁ、死んだところで、

困るのは、ビルの大家と、キャバクラの事務所か。それも、一瞬の事だ。そうでなくては、組織として、欠陥がありすぎる。

救いは、家族がいない事。実家は私がいなくても問題はない。裕福な実家というのは、大して恩恵がなかったとしても有難い。何もしなくてすむからだ。

 

牢獄を割りきるために、極力やりたくない事をしなくても、何とかなる方法を模索する。

私が一番やりたくないのは、身支度と接客。そこを従業員にまかせる。

そして、裏方に徹すれば、まだマシ。

 

早く牢獄から出られる日が来ますように。